「リッツォーリの一件は、ちょっと小説めいているんだ」とソロモンは言いました。
「最初その一画をそっくり買収するなんて不可能だといわれた。だが、私はやった。すると、『匿名の』ライバルや住民に乗せられた市が、歴史的建造物指定とい、つ手で私を潰し」にかかった。
だがソロモンは切り抜けたのです。
「何かをやろうとすれば、困難はつきもの。勝者と敗者を分けるのは、確固たる信念をもって問題の解決にあたるかど、つか」なのだと。
昆虫の側も、特定のランの花から蜜を得るために、その花の形にあわせて体や習性を変えてきた。
このような、昆虫との共進化の結果、ラン科植物の花は大きさ、形、色がきわめて多様化したといえる。
ラン科植物の種子はきわめて小さく、発芽して成長するのに必要な栄養を貯えていない。
そのために、ある種の菌類と共生しないと生育することができない。
ラン科植物が環境の変化にきわめて敏感なのはこのためである。
安定していたはずの熱帯多雨林は、伐採により大きく変わってしまった。
しかも、昆虫を誘惑するために美しくした花が災いし、園芸・観賞用に乱獲され、絶滅の危機に瀕している種類もある。
熱帯多雨林で成功したランにとってみれば、人類の繁栄は「誤算」であった。
ラン科植物は、世界におよそ二万五〇〇〇種、キク科植物はおよそ二万種あると考えられている。
一つの科に属す種類数が二万をこえるのは、ラン科とキク科だけである。
ともに被子植物でもっとも進化し、成功したグループといえよう。
ラン科植物は温帯や寒帯に進出したものも多いが、大多数は被子植物のもっとも発達した社会である熱帯多雨林に生育している。
光を求めて巨大化した樹木とは競争せず、森がつくり出した湿潤で安定した環境で成功したものといえる。
温帯から寒帯の乾燥した環境に進出し、しかも掩乱された環境をうまく利用し、雑草となったものも多いキク科植物とは対照的である。
ラン科植物は昆虫に花粉の媒介を依存している。
しかも特定の昆虫に効率よく花粉を運んでもらうために、その昆虫の形態や好みにあわせて花の形や色彩を変化させた。
なかには昆虫そっくりに擬態した花まである。
高さ一四メートルのところで幹を切り、根元を少し掘ってクレーンで吊り上げたところ、引き抜けてしまったそうである。
また、上部では幹の直径が一メートル以上あるが、板根が張り出しているところでは、いわゆる丸い幹はほとんどない。
板根とよばれているが、実際は根そのものではなく、側根の伸びる方向の幹が異常に肥大したものといえる。
七〇メートルをこえる高さの木を支えるのに、基部の幹全体を太くするのに比べて、薄い板根で支えるほうが経済的なのであろう。
熱帯多雨林は被子植物のもっとも発達した社会といえる。
一年中気温が高く、雨が多いために、植物がよく生育する。
森の上に高く突き出た超高木、それを支える巨大な板根、巨大な花を咲かせる寄生植物ラフレシア、さまざまな形のランの花など、熱帯多雨林を構成する植物の世界はきわめて多様性に富んでいる。
板根は熱帯多雨林を象徴するものの一つで、木の基部が、あたかもロケットの尾翼のように、数枚の薄い翼になって幹を支えている。
神奈川県立生命の星・地球博物館の生命展示室に入ると、圧倒されるような巨大な板根が目に入る。
これはコーンパシア.エクセルサというマメ科の樹木で、東南アジア熱帯のボルネオ島カリマンタンから運んできたものである。
高さ七〇メートル、幹の部分の直径一メートル、板根部分は直径一〇メートル近くある。
下にもぐり込んで、見上げてみると、板根の下は水平に切れていて、地中に伸びている根はあまり多くない。
これは、木そのものが地面の上にのっかっているにすぎないことを示している。
前足を胸ビレに変えて平衡ビレとし、後ろ足を消失させ、魚雷形の体形へと見事に変身した。
棒状の腰骨のみを肛門わきの筋肉のなかに残し、その名残を留めるだけである。
陸上でおこなっていた肺呼吸は、鼻孔の位置を頭のてっぺんに移動させることで解決した。
また、水中生活には不利とがいじなる外耳孔を塞ぎ、水が耳の内部に侵入することを防いだ。
アシカ・アザラシ類は、足をヒレ状に変化させたものの、陸への未練をいまだ残しているが、徹底したからだの改良によって、クジラたちは完全に海の生活に適応できた。
かくして、クジラ類は生まれてから死んで海底に沈むまで、その生涯を水中で過ごす海獣となったのである。