昆虫の側も、特定のランの花から蜜を得るために、その花の形にあわせて体や習性を変えてきた。
このような、昆虫との共進化の結果、ラン科植物の花は大きさ、形、色がきわめて多様化したといえる。
ラン科植物の種子はきわめて小さく、発芽して成長するのに必要な栄養を貯えていない。
そのために、ある種の菌類と共生しないと生育することができない。
ラン科植物が環境の変化にきわめて敏感なのはこのためである。
安定していたはずの熱帯多雨林は、伐採により大きく変わってしまった。
しかも、昆虫を誘惑するために美しくした花が災いし、園芸・観賞用に乱獲され、絶滅の危機に瀕している種類もある。
熱帯多雨林で成功したランにとってみれば、人類の繁栄は「誤算」であった。